こんにちは、涙子です。
皆さん、短指症ってご存知でしょうか?
先天性の奇形で、手足の一部が欠損しているものをいいます。
私の子供は短指症として、この世に生まれました。
待ちに待った我が子の誕生。
どんなに嬉しかったことか。
でも、誕生した我が子を初めてみて、驚きを隠せませんでした。
これからお話しするのは、私の息子の小さい頃のお話です。
息子の誕生
私の息子は、短指症として生まれました。
生まれつき片手の指が、全て第二関節までしかありません。手をグーにした時の長さぐらいまでしかありません。
子供の誕生は人生の中で、一番幸福感に包まれている時ではないでしょうか?
でも、生まれて初めて息子を見たときは、とてもショックでした。
手が明らかにおかしい。
「なんで?なんで?なんで?なんで?」
入院中は、産後うつのせいもあってか、泣いてばかりいました。
「五体満足に産んであげられなくて、ごめんね。ごめんね。」と。
原因
原因は、遺伝的なもの、突然変異、妊娠中の病気で細菌やウィルスが何らか影響し、成長が阻害されてしまったもの等。
遺伝が原因の場合は、必ず3親等以内に同じような人が必ず出るとお医者様から言われました。
息子の場合の原因は、私の妊娠中の病気が原因の可能性が高いと言われました。
ちなみに、息子は、発達障害もあります。
形成外科を受診
産婦人科の先生が、何か良い治療法があるかもしれないからと、
すぐに総合病院の形成外科を紹介してくれました。
しかし、そこでの診断は、特に何も治療できるものはない。現実を受け止めて今ある指を器用に使っていくしかない。と言う残酷なものでした。llllll(-ω-;)llllllガーン…
でも、私は淡い期待を込めて、「本当に普通の手にする方法はないのでしょうか?」と思わず質問してしまいました。
バカな質問です。そんなこと、わかってる。
でも、聞かずにはいられなかった。
先生:「あるわけないでしょ!仮に方法があったとしても、手に無理やり何かをくっつけるだけ。それは言うならば、使わない車をずっと家に置いているのと同じ状態です。それは、邪魔なだけで、何の意味もないでしょ!手も同じだよ!」
もしかしたら・・・という淡い期待は見事に打ち砕かれたのでした。。゚゚(´□`。)°゚。
手をうまく使えていくか、とてもとても不安でした。
しかし、息子は、そんな私の不安をよそに、手先を器用に使い、すくすくと成長していってくれたのでした。
4歳のころ
でも、やっぱり試練もありました。
保育園児の頃です。
保育園で周りのお友達から、「手が小さいね。手が短いね。手が変だよ。おかしい。変!変!」などと、日常的に言われるようになりました。
周りの子供たちは、自分の手と違う息子に違和感を感じ、疑問を息子にぶつけ始めたのでした。
そして、それはエスカレートし、頻繁にお友達から指摘されるようになりました。
息子は自分のことなのに、何も反論することができず、下を向いて、ただ無言で立ち尽くすことしかできませんでした。
そしてある日、今度はある女の子が、私にしつこく聞いてきました。
女の子:「何で手が変なの?どうして違うの?」
私:「妊娠中にお腹の中でけがをしたみたいなんだぁ。原因はお医者様にもわからないの。だから、将来あなたがお医者さんになって原因が何か調べてくれないかな?」
女の子はお医者さんのお子さんということもあったので、そういいました。
女の子:「(静かに)うん・・・。」
とだけ言って、立ち去っていきました。
それから彼女は、二度と私に聞いてくることはありませんでしたが、やっぱり子供は正直だなぁ~、と感じた出来事でした。
5歳の頃
5歳になった頃、息子はよく自分の手をじーーーーっと眺める事が多くなりました。
日常的にお友達から色々と言われていて、気にしていたのでしょう。
そしてある日、自分の手を眺めながら私に聞いてきました。
「ママ。。。このお手てはいつ大きくなるの?頑張って嫌いなものも我慢して、ご飯を食べているのにどうして大きくならないの?」
息子は、嫌いなものも我慢して食べていれば、いつかみんなと同じ手になると思っていたようです。
私は涙が出るのをこらえるのに必死でした。
そして、
私:「この指は、どんなに頑張っても大きくなることはないんだよ。周りのお友達のような手になることはないよ。でも・・・でも・・・、お母さんはこのお手てを見ていると、元気が湧いてくる。お母さんは、あなたのお手てが大好きだから。」と静かに答えました。
涙が溢れました。ウワァァ━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━ン!!!!
息子はショックだったのか、自分を納得させるためなのか、「そっか。そっか。」と何度もうなずいていました。
私は、その時、ただ抱きしめることしかできませんでした。 (.;゚;:Д:;゚;.)
息子はそれ以来、決して手の話はしなくなりました。
そして・・・。
現在、息子は高校生になりました。今でも、私は、息子の手を見ると、苦しくなる時があります。
息子は、いっぱいいっぱい辛い思いをしているんだろうなと思うと、しんどくなるんです。
息子が生まれたばかりの頃は、息子に申し訳ない気持ちで、何とかして五体満足にする方法はないか?なんて考えたり、もし、息子が、普通の子だったらなんて、考えても仕方がない事ばかりを考えていました。
あの時は、過去にとらわれて、どうしようもなかったです。過去を変えることはできないのに、過去を帳消しにしたいと願ってばかりいました。
自分が救われたい気持ちでいっぱいだったんですね。
でも、息子は、違いました。
いつも前を向いていました。
今あるものを受け入れて、生きていく。。。(子供の順応力はすごいです!)
それを見ていると、自分も徐々に現実を受け入れることが、できるようになってきました。
現実を受け入れるのってそんなに簡単じゃないんです。
形成外科を初めて受診した時、待ち合いで、重い障害を持ったお子さん(4~5歳)のお母様に話しかけられたことが、あるんです。
「この子(うちの息子)は、どうして、病院に来たの?」と。
私が説明をすると、
「そんな事で、診察?受診したところで、治療なんてできないんじゃあない?そんな事ぐらいで悩んでるの?」
と言われました。
そんな事???
そのお母様は、強い人だったんだと思います。
確かに、そのお母様からすると、うちの子の障害は軽いもの。
でも、人によって受け入れられるキャパシティは、違います。
まだ、母親になりたてで、心も体も追い付いていない頃でしたから、すごく落ち込んだのを覚えています。
ちょっとしたことでも、悩んだっていい。
障害が軽いから、不安になっちゃダメ?悩んじゃダメ?
そんなことないです。
悩みたい時は、悩んだらいい。
悩んで、誰かに打ち明けたい時は、打ち明ければいい。
そうやって、気持ちを少しずつ楽にしながら、一歩一歩前進していくんだと思います。
ゆっくりでいいんです。
親である前に一人の人間です。
時には立ち止まったっていいと思います。
強くいなければと思っても、できないこともあります。
笑えない時もあります。
私は、何度も涙を流しました。
子供も親も成長の速度は人それぞれ。
どうしようもなく悩んで、苦しくなってしまう時は、
私は、逆に考えない様にしています。
楽しいことを考えよう!と意識するようにしています。
そうすると、また前を向けるような気がするんです。
そのことを、私は息子から教えてもらいました。
今落ち込んでいる人がいたら、未来は明るい❗そう信じて欲しいです。
楽しいこともたくさんあります。
きっと、これから、いいことがいっぱいあります!o(*^ー^*)o
私のように、こんなことがあっても、いっぱいいいこともありました。
どうか、この記事を読んだ全ての人が、明るい未来になりますように。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
*この記事は、3月に書いた記事をドメイン変更によりリライトしたものです。
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