ぽろぽろ涙子今日も行く

乾癬発症から完治に向けて20数年の記録と人生色々雑記ブログ。

『ビジネスマンが家族を守るとき』を読んで(佐々木常夫/著)

 

こんにちは、涙子です。

 

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

ブログを書き始めてから、他ブロガーの方の記事を読むようになりました。

 

読むのに忙しくなってきて、最近本を全く読んでいないな?

 

読みたいな~。

 

そう思っていたら、タイトルの本をちょうどいただいて、久々に読んでみました。

 

時間もないので、ちょっとだけ!と思ったつもりが、一気に読み終えてしまったので、今日はレビューを書きたいと思います。

 

 

 

*ネタばれがありますので、これから読む予定の方は、スルーして下さいね。

 

あらすじ

 

家庭では、自閉症の長男を含む3人の子育てと、入退院を繰り返し、肝臓病・うつ病の妻の看病をし、逆境に立ち向かいながらも、家族を守り、なお仕事に全力を尽くした男の家族再生の物語である。(と書かれてある。)

 

 

 

 

 

世の中に、こんなに第一線で活躍しながら、家事育児を一人でこなすことができる人がいるだろうか?

 

著者は、スーパーマンである。

時間の使い方が上手い。

 

限られた時間の中で、仕事をこなしていく方法は、ビジネスマンの参考になるだろう。

 

また、本に書かれている部分だけでも壮絶な人生である事が、伝わってくる。

 

書かれていない部分では、相当苦労しているはずだ。

 

それを、そつなくこなす、精神力、行動力はすごいとしか言いようがない。

 

自分も発達障害の子供を育てていて、共感できる部分もあった。

 

 

ただ、読んでいて、著者に対して、どこか違和感というか、傲慢さを感じてしまった。

 

先ほど、家族を守り、仕事に全力を尽くした男がと書いたが、正確に書くと、家庭を守りきれず、妻を精神的に追い込み、それでも仕事の手を抜くことなく、閑職に就くこともなく、バリバリ仕事をこなし続けた話のようにしか思えなかった。

 

つまり、家族を犠牲にして、仕事で成功した話としか、思えなかった。

 

最終的には、筆者が左遷されることで、夫婦歩み寄ることができ、理解しあえたので、このタイトルになっているんだと思う。

 

著者自身も本の終盤で書いているが、悲劇のヒーロー、「どうだ!俺はすごいんだ!」感が半端なかったからのように思う。

 

きっとこの思いが、奥様を苦しめ、病気を悪化させたのだのではないか。

 

著者は、仕事もできて、人間関係もそつなくこなし、部下の面倒見も良く、とても優しい人だ。完璧な人間だ。

 

でも、奥様にとってみたらどうだっただろう?

 

後の奥様の手記にこう書かれてある。

「あなた(著者)は、自分の生活だけでも大変なのに、家族以外の人たちにも親身になって相談に乗り、時間を割き、まるで自分のように接していました。そういうあなたを見ていると、私のことは、貴方にとって、多くの事の一つと考えているのではないかと思いはじめ、なんだかとてもみじめな気持ちになっていきました」と。

 

奥様は、家事育児どころか、自分の事さえも寝たきりで何もできなくなっていた。

 

その何もできない辛さ、もどかしさは、いかばかりだっただろう。

 

そして、その目の前で、著者が何事も容易くこなしてしまう。

(それは、著者の優しさ、凄さだったんですけどね。)

 

自分って必要とされていないよね。いない方がいいんだ。ただのお荷物だよね。

 

夫は仕事で忙しいのに、私は何の助けもできない。

 

こんなに自分の辛い気持ちに寄り添ってくれる人もいない。

 

みじめで、寂しい。

 

 

そう思って自分を責め、追い詰められていったのではないか。

 

本には書かれていないが、そんな奥様の声が聞こえてくるような気がした。

 

人は誰かから必要とされていると思うから、頑張ろうという意欲が湧いてくる。

 

自分は存在していいんだって思えるから、生きていける。前を向いて行けるのだ。

 

なのに、その全てを奪われてしまった。。。

 

きっと、自分の存在自体を否定され続けているような気がして、長い間、重いうつ病に苦しめられてきたのだろうと思う。

 

お気の毒としか思えなかった。

 

 

夫婦は、対等でなければならないと私は思っている。

 

俺(私)が稼いでいるから、偉そうにしていいっていうのは違う。

 

対等だから、家事も育児もきっちり半々っていうのも違うように思う。

 

夫婦対等な関係とは、言いたいことを言い合い、互いに思いやりを持ち、助け合うことができる関係である。

 

どちらかに負担が重くのしかかるのは、対等ではない。

 

 

この夫婦は長い間対等ではなかった。

お互いに辛い日々だったと思う。

 

読んでいて、苦しくなる場面もあった。

 

ただ、救いは、奥様の3度目の自殺未遂の後、著者が左遷され、家族と本気で向き合う時間が取れたことで、奥様の病気が劇的に回復していったことです。(家族と同じ目線でコミュニケーションをとるようになったからでしょう。)

 

著者が変わることで、奥様も変わることができた。

 

本書の最後で、奥様が回復し、著者自身、今一番幸せを感じることができるようになったので、後味は悪くなかった。

 

 つくづく、家庭が安定して始めて、仕事も上手く行くのだと思った。

 

 

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